2003年9月23日(火・祝)UKULELE Cafe NITE ~THANX FOR UNCLE FAMOUS~
共演:山内雄喜 小林キヨシ サンディー
ウクレレ カフェ カルテット
ROM CHIAKI 藤井康一 はずき

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 ウクレレアフタヌーンがウクレレ カフェ カルテットと共に「ウクレレ カフェ ナイト」の名において催しましたライブイベントは、過去に'92年と'99年の計2回御在ます。 ウクレレを弾く人がまだまだ珍しい存在だった'92年はともかく、ウクレレブーム再来か?などと騒がれ始めていた'99年当時と比べても、現在のウクレレを取り巻く状況は大きく変わりました。

 '99年の開催については、来たるべきウクレレ新時代に向けての大きな布石になった、とハッキリ自負出来るものでした。 が、その後だれが、ウクレレ絡みの大きなイベントがすっかり珍しいものでなくなってしまうなどと予想出来たでしょう。 1000人以上を動員するイベント「ウクレレピクニック」の毎夏の成功、ウクレレを使用するミュージシャン達がプロ/アマ問わずライブハウスを賑わせ、月9のテレビドラマにまで主人公の愛好品としてウクレレが使われるようになるなどと、誰が考え得たでしょう。(ケド最終回までチューニングがメチャクチャだったぞコラァ! しっかりせんかい)。

 さて会場となりました青山CAYは、有り難い事に今回も大入り満員。 久々の本格的なライブとなりましたウクレレアフタヌーンは、一年半の長きに渡って貯え続けていた芸人魂を爆発! 気合いを入れてトップのステージに臨みました。

 今回の衣装テーマはですな...先日のウクレレピクニックでのことでしたが、我々の出店ブースの向かいで開業している輸入雑貨屋さんがいらしたのですが、そこで段ボール箱に突っ込まれ一枚1000円で投げ売りされていた、和柄のアロハがございました。

 それが、極彩色の中にが舞っていたり、出目金が泳いでいたり、背中で睨み合う虎と龍が、とクレイジーで実に素敵な絵柄ばっかりなもので、誰か一人が買って皆に見せびらかしているうち、俺も私も我も我もと競うように段ボール箱を漁り始め、つい先刻まで得体の知れない体育会系ユニフォームに身を固めていた輩どもだったのに、いつの間にやらどいつもこいつも極彩色。 売ってくれた店主さんさえも呆れてしまう程の、別の意味でまた近寄り難い異様な集団と成り果ててしまったものでした。

 そんな愉快な光景を目の当たりにして、心密かに「よし!次回は和モノでいこう!」と決めていたリーダー。


ナース本番ちゃんの施術により
リーダーはモヒカンに植毛中

 てなワケでテーマは「エキゾチックジャパン」...ガイジンから見た和のテイスト、例えば日本人っていまだにチョンマゲしてんだろ、和服姿の女性なのに身頃が左前、日本髪にカンザシかと思ったらハシが付き刺さってるよ、ゆかた着ててメイクがどぎつい、ハカマはいてて足はブーツだとかの、勘違いや極端なデフォルメをイメージせよ、との指令をメンバーに下しました。 それでまぁ、こんな写真の通りな格好になったんですけどね。 派手でイイですな!


ビバ!マツケン


ウクレレ小町


世界平和を祈念

虎優勝

祭り囃子

 ちなみに今回、最も「やられたぁ!」と感服致しましたのは、千羽鶴ラスタ+千羽鶴つけまつげの男性です。 鶴折りに手を貸したメンバーたち皆の祈りが込められています。 しかしやはり魅了されてしまいましたのは何と言っても、艶やかな衣装の女性陣みなさま方でございましたわよ。 もほほほほ。


黒く塗れ


赤影参上


OH! ウキヨエ


股旅素浪人


支那は日本の一部


越南は大東亜帝国

OH! カミカゼ

OH! フジヤマ

 あ、なんか今回のレポート、前置きがやたら長いですね。 これ以上余計な事を書いて品位を落とす前に、とっとと演奏の方の話にさくさくっと行きましょうね。


 ステージ上にアフタヌーンがスタンバイした途端、幕一枚を隔てた客席では早くも爆笑の渦です。 幕越しに、我々のただならぬ雰囲気が透かし見えているようです。 「まだ、まだ笑うところじゃないですよー、笑ってあげるのは幕開いてからにして下さいね」と取りなす、本日の司会進行役もっちー。


 いよいよ幕が開き、1曲目「バイーアのマリア」からスタート! 遂に全貌を表した24名のあまりの珍妙キテレツさ加減に、お客様方のどよめきが演奏中までおさまりません。 「オーレイ!」の掛け声でエンディングを決めた途端、嬉しい大きな拍手! しかし間髪置かず続いては、'80年代伝説のジャパニーズ・ダブ・バンド/ミュート・ビート(こだま和文リーダー)のナンバーで「ハット・ダンス」。 性急なスカビートとクールなメロディーがカッコいい!

 そして「サマー・ホリデイ」へと続き、この曲を初演した「ウクレレ・ピクニック」での夏の想ひ出を見送り、去り行く季節を惜しみます。


 「みなさん、今日のこのコンサートでタテノリ出来る曲はこれしかないですからね、パンクです!」との紹介を受けたのは、ロンドン・パンクのパイオニア、ザ・クラッシュの代表曲「クラッシュ・シティ・ロッカーズ」

 先頃他界したクラッシュのリーダー、故ジョー・ストラマーズの魂に届けとばかり「Oi!」の掛け声も荒々しく、フロントに立つどさんこ娘の黄色いシャウトと、全員一丸となってのヘッドバンキングで会場を大いに沸せました。

 お次のロックンロールナンバーは、今回もっとも難曲だった「GO-KART TWIST(サンライズ・ツイスト)」。 ラウンジ・ミュージック界の巨匠/エンニオ・モリコーネのペンによる、イタリア映画「太陽の下の18才」('62年)の挿入曲です。
 タテでなくてヨコにクネクネ踊りたくなるナンバーですね。 踊りながら弾いてるお茶目さんもおりました。

 ここで今回のハイライト、ウクレレアフタヌーンでは初の試み。 ウクレレのみのアンサンブルに、遂に異楽器の導入です。 取り入れましたのはミュージカル・ソー、つまりノコギリです!

 実は最近のアフタヌーン、ノコギリ奏者人口が急激に増えておりまして(いまんとこ2人)、その中でも(中っつっても2人だけ)最も優れた奏者(2人のうちどっちか)と思われるメンバーを、大々的に(頭の15秒間)フィーチャー致しました。

 曲は「イパネマの娘」と並ぶボッサの名スタンダード曲「トリステーザ」



 いよいよステージも終盤です。 渋谷のシャンソニエ「青い部屋」、その店長でシャソン歌手のソワレさん、ゲンズブール委員会など、フレンチ絡みの方面とも所縁の多いアフタヌーンですが、その影響が色濃い選曲「リラの門の切符切り」

 フランス芸能界一の異端でありながら、国内はもとより世界中からも愛され続け、膨大な量の美しい曲を世に残し、常にアグレッシブなスタイルを貫いていた、フランスの勝新太郎とも言える伊達男、故セルジュ・ゲンズブール'58年のデビュー曲です。

 ここまでお届けしたレパートリーは、ステージ上ではほぼ初演か2度め、4年前のカフェナイトではやっていない曲ばかりです。
 やはり4年という歳月は長いものですね。 レパートリーが総入れ替えになっただけでなく、メンバーの顔ぶれまでも大きく変わっています。 前回にも参加した人は、実に3分の1しかおりませんでした。

 では、今回いなかった方達はどうしているのでしょう。 アフタヌーンの集まりにさえ顔を出さなくなり音信不通の人もいれば、志し高く独自の演奏活動を始め、誰もが認める素晴らしいプレイヤーにまで成長した人もいます。 その一方で、新たにアフタヌーンへ参加しに来てくれる人達は後を断ちません。

 初ステージを踏んだメンバーの中には、本番間もない頃になってから参加し始め、一生懸命練習してくれた人だっています。 本ライブに向かって頑張ってくれた全てのメンバーに、心から感謝!

 最終ナンバーはお馴染み「エヴリバディ・ニーズ・サムバディ」で和やかに締めます。 「誰もが誰かを必要としている」だなんて...イイ言葉やね。 これからもライブや集まりの毎に、新たな出会いがありますように、願いを込めて。



Photos: edgee, chie, Ichiji, Yan Yasuda

 今回はサブタイトルにもなっている通り、アンクル・フェイマスといえば御存じ、日本が誇るウクレレメーカー、フェイマスウクレレの岡本会長へのリスペクトを込めたイベントです。
 日本での第一次ウクレレブームからウン十年後、'90年に突然ウクレレアフタヌーンなんてな物好き集団が発生し、それからまた更に十余年の活動を経て、我々のようなアマチュアでさえもこんな大イベントを組む事が出来、また興味を持って下さった方々がウクレレを購入し御参加下さり、いつまでも新たな出会いがあり続けるのは、現在のウクレレブームがあってこそでございます。

 第一次ブームが去ってなお、フェイマスがウクレレを造り続けていてくれたおかげで、今のブームがあるのです。 今日までウクレレの灯を絶やさずにいてくれた岡本会長、偉大なり!

 コンサートでは中盤、岡本会長からの挨拶と共にプレゼント抽選会がありました。 景品はもちろんフェイマスウクレレ、しかも岡本会長モデル!これは有り難い。 いや有り難いものはウクレレだけではありません。 ウクレレと並ぶ景品はなんと、岡本会長の肉筆による御言葉が書き入れられた、短冊です! 「平常心是道(平常心、是れ道とす)」「敬天愛人(天を敬い人を愛す)などなど、見事当選されました方々、どうか後生大事にしてください。


 アフタヌーンのステージの後は、前回に二人組「プリン」で登場されていたはずきさん。 ソロとして一人立ちし、堂々とした歌と演奏を披露してくれました。

 続いてはテルミン奏者のROM CHIAKIさん。 近藤研二さん(栗コーダーカルテット/元ハイポジ)のウクレレと、カフェカル夏秋文尚さんのパーカッションを従えて、ハワイアン、琉球民謡、スタンダードポップスなどの曲を操り(ホント「奏でる」というより「操る」って感じ)、不思議な調べでお客様を驚愕&感動させていらっしゃいました。

 夏秋文尚さん(ウクレレアフタヌーン創設者)、田村玄一さん(メトロファルス青山陽一&ブルーマウンテンズ山内雄喜&パイナプル・シュガーほか)、 飯塚昌明さん(PUNCHLINE、六三四ほか)、川口義之さん(栗コーダーカルテット、東京中低域渋さ知らズ)といった強者揃いによるウクレレ カフェ カルテットは、またまた今回も「キューピー3分間クッキング」などという素晴らしい新ネタで楽しませてくれました。 が、やはりカフェカルといえば名作中の名作は、ラストにやってくれた「NHKラジオ体操第一」ですね!

 エンターテイメントの神髄とも言える、楽しいステージを見せてくれた藤井康一さん。 キヨシ小林さんはその後に出たものだから、少々分が悪そうに「私はあまり面白い事を言ったりとかは出来ませんが...」などと仰って(でも笑)、しかし渋い演奏で決めてくれました。 リラックスした演奏で和ませてくれた山内雄喜さん、更にフラダンサーを従え華いっぱいサンディー様の登場と、後半はプロの方々のステージで大いに盛り上がりました。 出演者の皆様、有り難うございました!

 そしてお越し下さいました200名余りのお客様方、どうも有り難うございます! 次は是非、200名揃ってウクレレアフタヌーンに参加して下さい! 10年でも20年でも待ってますよ!



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