2001年8月25日(土)ウクレレ・ピクニック2001 in 逗子マリーナ
共演:関口和之 IWAO 高木ブー ジェイク・シマブクロ
Kawaihae Laula ペティブーカ クスタァ・クスタァ
ウクララ スパムのりライス ウクレレえいじ 他



 さて、前ページにて予告しました「これから夏のウクレレアフタヌーンのコンセプトは『海』です。波乗りです。サーフロックです。」という怪し気なキーワード。 そのココロは..ってんですけど。

 
をテーマにした4曲入りミニアルバム「海を俺たちに〜BRING THE SEA BACK TO UKULELE AFTERNOON」を作成し、いよいよ無茶に拍車がかかってきましたウクレレアフタヌーン。 インパクト充分なタイトルとジャケット画のイメージを、とうとうそのままステージにぶつけてしまいました。 それも、栄えあるウクレレ・ピクニック2001のステージで


 今年のウクレレピクニックは、前半のアマチュア部門ステージに出演希望者が大量に殺到。 なんと20組以上が演奏する事になってしまったので、ウクレレアフタヌーンも出演時間はちょっとだけ。 その短いパフォーマンスの中でやるべき事は全てぶちこんで、観客に強烈なインパクトを残すステージを目指す!


 まずは衣装、男性=漁師女性=かっぽう着という出で立ち。 荒れ狂う日本海に悠然と立ち向かう、逞しい海の男達(逗子じゃ大平洋だろ)、夫の無事の帰還を待ちわび、明け方の岸壁にて大漁旗をなびかせ戻ってくる漁船を涙で出迎える献身的な女将(おかみ)というコンセプトのもと、「海は俺たちのものだ!」という強引でわがままな気迫がみなぎっています。

 しかしその中に混じって何故か、男なのにかっぽう着で慎吾ママと化す者、女なのに女を捨てて酒臭いおっさんと化す荒くれ者、海賊、釣りキチ三平、プリンセス・テンコー、etc。

 リーダー織田島はこの日の特別兵器武器レレを入手(実体はPolk-a-lay-leeというノヴェルティモデル)、まるでマッコウクジラの背中にひと突きでとどめを指すかのようなフォルムでもってイカクします。


 まずは1曲目、勢いつけて荒波に繰り出したかのような激しいサーフロックをぶちかます これがもう早い早い。 いきなりハイテンションなもんで、それまで練習してきたのと比べて倍はテンポが早い。 ラモーンズかダムドかまるでパンクなみ。


 曲は「ミザルー」。 サーフロックの代表的なスタンダード曲ですが、なんといっても映画「パルプフィクション」のサントラとしてあまりにも有名。 映画ではジョン・トラボルタとヘロイン漬けヒロインのツイストを踊り狂う姿が印象的でしたが..

 おおっと、アフタヌーンのステージにも出て来ましたよ 舞台両脇に突然、ピンクのかっぽう着を身にまとった、クールなダンサーズが!! 件のシーンを彷佛とさせるような激しいツイスト 更には客席に乱入して、観客にバラ巻き出したのは「海を俺たちに」ジャケット画の特製コースター なんというレア・アイテム!



 興奮した織田島までもが、メンバー達の制止を振り切り奇声を発しながらステージから客席へ決死のダイブ!! イス席によじ昇り、憑かれたように武器レレを弾き倒す織田島 その両脇で、感極まったダンサーズが大漁旗を手にし、抜けるような青空を掻き乱さんばかりに旗を振るう..。

 続いてもサーフなメドレーで「SO MANY GOBLINS OVER THE WORLD」。 英語タイトルだけ見ると何なんだかですが、実はあの橋●寿●子脚本で有名な老舗の連続テレビドラマ「渡る●●は●ばかり」、羽●健●●・作の主題曲によく似ているサーフロック まるで橋●ファミリーのように固い結束力で結ばれたメンバー達、全員が一丸となっての振付けで迫ります。


photos: ikuwa, MATT & Ichiji


 怒濤の2曲でもうかなりのエネルギーを費やしてしまったところで、早くも最後の曲「BOHEMIAN "ハトヤ" RHAPSODY」...静けさと激しさ、哀しみと歓び、虚偽と真実、憎しみと愛...海界に存在するありとあらゆる陰と陽を読み込んだ、壮大な叙情組曲。 を、僅か2分で描き切ってしまった問題作。

 世俗の軋轢から解放された、フレディ・マーキュリーの魂を、優しく癒す4126(よいふろ)..新鮮な海の幸..とれとれぴちぴち..ハトヤに決めた...さようなら皆さん..ウクレレアフタヌーンはやっぱり海へ帰ります..またいつの日か..みんな...。


 ハッ!! なんだ今までのは、夢だったのか!?

 なんでぇなんでぇ今日は。 来場者が1000人は居ようかってぇはずなのに、こちとら折角作ったCDがまだ10枚しか売れてないじゃぁねえか。

 ステージではなんだか自分とよく似た顔と頭型をしたジェイク・シマブクロが、こっちとは似ても似つかぬ超絶テクニックでもってお客様の皆々様方をしっかりとエンターテインしているじゃぁないですか。 あぁ、参ったなぁ。 本当に俺達なんて、あれと比べちゃったらもうあれなんだけれどさぁ。

 でもね、俺達がやっている事にだってきっと、目が醒めたとたんに雲散霧消してしまう夢の中で、女将が見せた涙と漁師の汗、くらいの感動はあるかもしれんな。 いやきっとあるはずだよ。


つづく




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